「ドラレコを買おうと思ってネットや家電量販店で調べたけれど、スペック表に書いてあるカタカナや英単語の呪文が多すぎて意味が分からない…」
そんな経験はありませんか?
ドライブレコーダー(ドラレコ)は、万が一の事故やトラブルが起きたとき、あなたとご家族、そして愛車を守る貴重な「証拠」を残す大切なアイテムです。
しかし、言葉の意味を知らないまま価格や見た目だけで選んでしまうと、「いざという時に相手のナンバープレートが潰れて読めない」「夜間の映像が真っ暗で何も映っていない」「東日本の信号機が消灯して写り、過失割合の証明ができない」といった、取り返しのつかない後悔につながることも少なくありません。
はじめまして!元・電装整備士として15年以上、数多くの車の電装品取り付けやトラブルシューティングに携わってきた「むーちょ」と申します。国家資格である「自動車電気装置整備士」の知識と現場経験を活かし、車のDIYや電装品選びに役立つ情報を発信しています。
今回は、ドラレコ選びで誰もが一度はつまずく「スペック表の基本用語14選」を、プロの視点から日本一分かりやすく噛み砕いて解説します!
この記事を最後まで読めば、難解に見えたスペック表がスラスラ解読できるようになり、自分に必要な機能がひと目で判断できるようになります。いつでも見返せるように、ぜひ「スキ」や「ブックマーク」をして、保存版としてご活用くださいね。
画質・カメラ性能に関する用語
まずは、ドラレコで最も重要と言っても過言ではない「映像の綺麗さ・見やすさ」に関わる用語から見ていきましょう。
1. FULL HD / HD / WQHD(画素数・解像度)
【概要】 映像の「きめ細やかさ」を表す規格のことです。画面の中にどれだけ細かい「点(画素)」が敷き詰められているかを示しています。
- HD(約92万画素): 最低限の解像度。少し離れた車のナンバープレートを判別するのが難しい場合があります。
- FULL HD(フルHD・約200万画素): 現在のドラレコ市場における標準スペックです。前方の車のナンバーもしっかり読み取れます。
- WQHD(約370万画素〜): FULL HDの約1.8倍高精細な画質です。より遠くの標識や細部までクッキリ記録できます。
【プロの選び方アドバイス】 絶対に「FULL HD(200万画素)」以上を選んでください。 事故の際、相手車両のナンバープレートが判別できるかどうかが証拠能力を大きく左右します。予算に余裕があればWQHDもおすすめですが、迷ったらまずはFULL HDを基準にしましょう。
2. fps(フレームレート)
【概要】 「1秒間に何枚の写真(コマ)を使って動画を撮影しているか」を表す数値です。例えば「30fps」なら、1秒間に30枚の静止画を高速でパラパラマンガのように繋ぎ合わせて動画にしています。
- 数値が大きいほど、映像が滑らかでヌルヌル動きます。
【プロの選び方アドバイス】 単に数値が高ければ良いというわけではありません。実は、次に解説する「LED信号機」の問題と密接に関係してきます。一般的な動画撮影では「30fps」や「60fps」が主流ですが、日本のドラレコでは「27.5fps」などの少し中途半端な数値が採用されています。
3. LED信号機対応
【概要】 街中にあるLED信号機は、人間の目には常時点灯しているように見えますが、実は目に見えない超高速(東日本は1秒間に100回、西日本は120回)で「点検(点滅)」を繰り返しています。
もしドラレコのフレームレートが「30fps」だと、信号機の点滅周期と完全に同調してしまい、「映像の中で信号機がずっと消滅(消灯)して映る」という現象が発生してしまいます。
【プロの選び方アドバイス】 事故が起きた際、「どちらが青信号だったか」は最大の争点になります。「LED信号機対応」と書かれたモデル(フレームレートが27.5fpsや29fps等に調整されているもの)を必ず選んでください。 これがついていないモデルは、万が一の時に信号の色を証明できなくなる恐れがあります。
4. HDR / WDR(ハイダイナミックレンジ / ワイドダイナミックレンジ)
【概要】 明るさの差が激しい場所で起きる「白飛び(明るすぎて映像が真っ白になる)」や「黒つぶれ(暗すぎて真っ黒になる)」を自動で補正してくれる機能です。
- トンネルの出入り口(急に明るく/暗くなるとき)
- 夜間、後続車のヘッドライトが直接カメラに当たったとき
こういった厳しい環境下でも、明暗差を合成・補正してクッキリとした映像を残してくれます。
【プロの選び方アドバイス】 現代のドラレコ選びでは必須の機能です。特に「夜間のドライブ」や「リア(後方)カメラ」での煽り運転対策において、後続車のライトでナンバーが白く飛んで見えなくなるのを防ぐために強力な効果を発揮します。
5. STARVIS(スタービス)
【概要】 ソニー(SONY)が開発した、監視カメラ等にも使われる「暗所撮影に圧倒的に強いイメージセンサー」の技術名です。
わずかな光しか届かない真っ暗な夜道や、街灯のない駐車場であっても、感度を大幅に上げることで驚くほど明るく鮮明な映像を記録できます。
【プロの選び方アドバイス】 「夜間に運転することが多い方」や「後述する駐車監視機能を使いたい方」には強力におすすめしたい機能です。暗闇の中での車上荒らしや当て逃げ対策として、STARVIS搭載モデルを選ぶ安心感は段違いですよ!
6. F値(レンズの明るさ)
【概要】 レンズが取り込める「光の量」を示す数値です。カメラのスペック表に「F1.8」や「F2.0」といった形で記載されています。
少しややこしいのですが、「F値の数字が小さければ小さいほど、光を多く取り込める明るいレンズ」という意味になります。
【プロの選び方アドバイス】 目安は「F2.0以下(F1.8など)」です。明るいレンズを搭載しているドラレコは、夜間や悪天候時でもノイズが少なくキレイな映像が撮れます。STARVIS機能と組み合わさることで、夜間性能はさらに向上します。
7. 撮影画角(水平・垂直・対角)
【概要】 カメラが一画面の中に「どれくらいの広さ(範囲)」を映し出せるかを表す角度です。
- 水平画角: 左右の広さ(交差点での横からの飛び出しに直結)
- 垂直画角: 上下の広さ(信号機や標識の映り込みに直結)
- 対角画角: 斜め対角線の広さ(スペック表で一番大きく書かれがち)
【プロの選び方アドバイス】 メーカーのカタログで大きく「広角160度!」と書かれていても、それが「対角」の数値である場合があります。一番チェックすべきは「水平画角」です。
事故は正面衝突だけでなく、横からの飛び出しや斜め前の割り込みも非常に多いです。「水平画角108度以上(できれば120度以上)」を確保しているモデルを選びましょう。
録画モード・機能に関する用語
続いて、ドラレコが「どのように映像を記録・保護してくれるのか」というシステムや機能に関する用語を解説します。
8. 常時録画
【概要】 車のエンジンをかける(ACC電源が入る)と自動で電源が入り、走行中の映像を常に記録し続ける基本的な機能です。
SDカードの容量がいっぱいになると、古い映像から順番に自動で上書き消去しながら、常に最新の映像を保存し続けます。
【プロの選び方アドバイス】 「自動で上書きされたら、事故の映像が消えちゃうのでは…?」と心配される方もいますが、ご安心ください。次に解説する「衝撃感知」によって、大切な事故映像は別フォルダへ隔離保護されます。
9. 衝撃感知・Gセンサー
【概要】 車に大きな衝撃(ガツンという衝突や、急ブレーキなど)が加わった際、内蔵された「Gセンサー(加速度センサー)」がそれを感知し、その前後の映像を「上書き禁止の専用フォルダ」へ自動的に保存・ロックする機能です。
【プロの選び方アドバイス】 この機能があるおかげで、事故直後に気が動転して電源を切り忘れたり、そのまま走行を続けてしまったりしても、事故の決定的な瞬間が上書きされて消える心配がありません。ほぼ全てのドラレコに標準装備されていますが、感度設定(敏感・鈍感)を調整できるモデルが使いやすいです。
10. GPS付
【概要】 宇宙のGPS衛星からの電波を受信し、映像と一緒に「正確な日時」「走行場所(位置情報)」「走行速度」を同時に記録する機能です。
【プロの選び方アドバイス】 GPSなしモデルの場合、ドラレコの内蔵時計が徐々にズレてしまい、「事故が起きた日時の証拠」として曖昧になってしまうリスクがあります。また、GPSがあれば専用のパソコンソフトで「自車がどこを何キロで走っていたか」を地図上に表示できるため、過失割合の立証において非常に強力な味方になります。絶対にGPS付きを選びましょう。
11. 前後2カメラ
【概要】 フロント(前方)ウインドウだけでなく、リア(後方)ガラスにもカメラを設置し、車の「前と後ろ」を同時に撮影・記録するタイプです。
【プロの選び方アドバイス】 昨今、社会問題化している「あおり運転(車間距離不保持・嫌がらせ)」や「後方からの追突事故」に対抗するためには、前後2カメラタイプが現在の絶対的なベストセラーです。「前だけあれば十分かな…」と迷っているなら、後からの増設は手間がかかるため、最初から前後2カメラモデルを選ぶことを心からおすすめします!
駐車監視・配線に関する用語
最後は、愛車を停めている時間帯を守る「駐車監視」と、プロのような綺麗な取り付けに関わる用語です。
12. 駐車監視モード(パーキングモード)
【概要】 エンジンを停止して車を離れている間(スーパーでの買い物中や自宅の駐車場など)も、当て逃げや車上荒らし、いたずらを監視・録画してくれる機能です。
録画方式には主に以下のような種類があります:
- 衝撃検知: 普段は待機し、衝撃を受けた時だけ起動して録画(省エネ)。
- 動体検知: カメラの範囲内で「人や車が動いた時」だけ録画。
- タイムラプス: 1秒間に1コマなど、パラパラマンガのように連続して長時間の映像を圧縮保存。
【プロの選び方アドバイス】 「コインパーキングをよく利用する方」「月極駐車場で当て逃げが心配な方」には必須の機能です。ただし、駐車監視を使うためには本体だけでなく「専用のオプション配線」が必要になるケースが多いので、購入時の確認が必要です。
13. 電圧監視機能搭載
【概要】 駐車監視モードを使用している間、ドラレコは車のメインバッテリーから電力を切り崩して動作します。そのため、長時間監視を続けると車のバッテリーが上がってしまうリスクがあります。
「電圧監視機能」は、車のバッテリー電圧を常に監視し、設定した電圧(例:12.0Vなど)を下回ると、ドラレコの電源を自動的にオフにしてバッテリー上がりを未然に防ぐ安全機能です。
【プロの選び方アドバイス】 駐車監視機能を使うのであれば、この「電圧監視機能」はセットで必須です!電装整備士の現場でも「駐車監視をつけたらバッテリーが上がった」というご相談をよく頂きます。車のエンジンがかからなくなっては本末転倒ですので、必ずこのカットオフ設定機能がついた配線ユニットを選んでくださいね。
14. 直接配線コード
【概要】 一般的なドラレコは、車のシガーソケット(アクセサリーソケット)にプラグを差し込んで電源を取ります。
一方、「直接配線コード」を使うと、車内のヒューズボックスやナビ裏などの「目立たない配線」から直接電源を取り出すことができます。
【プロの選び方アドバイス】 直接配線コードを使う最大のメリットは以下の2点です:
- 見た目が圧倒的にスッキリする: ゾロゾロと垂れ下がる配線をAピラーや内張りの中にキレイ隠せる。
- シガーソケットを塞がない: スマホの充電器などをそのままシガーソケットで使える。
「プロに頼んだような美しい車内環境にしたい!」「DIYで裏配線にチャレンジしてみたい!」という方は、ぜひ直接配線コードの導入を検討してみてください。
用語を知れば「自分に必要なドラレコ」が明確に見えてくる!
お疲れ様でした!今回はドラレコのスペック表によく登場する必須用語14選を解説しました。
最初は「漢字やカタカナの呪文」に見えていたスペック表も、それぞれの意味や役割が分かると、「あ、自分は夜間運転が多いからSTARVISとF値1.8のモデルがいいな」「当て逃げが怖いから、電圧監視付きの駐車監視と前後2カメラは外せないな」といったように、自分にぴったりの条件がスラスラ浮かんできたのではないでしょうか?
無駄に高スペックな最高級機を買う必要もありませんし、逆に安物買いの銭失いになるリスクもこれで回避できます!
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。あなたのカーライフが、より安全で快適なものになるよう応援しています!


